フジタ式拡底アンカー(フジタ式アンダーカットアンカー)

※フジタ式拡底アンカー(フジタ式アンダーカットアンカー)「逆エッジ型拡底アンカー、DGアンカー」は、拡底式アンカーとして日本で唯一、NETIS及びJCAAの認証を取得しております。

フジタ式拡底アンカー(フジタ式アンダーカットアンカー)の考え方、

絶対に抜け出ず、ボルト破断又は部材破壊に到達する設計となっております。

フジタ式拡底アンカー(フジタ式アンダーカットアンカー)は、孔底部を遠心ビットによりアンダーカット作業を行なうため、施工精度にバラツキがなくより確実で安全な施工が可能となります。

これから発生するであろう巨大地震では、亀裂だけではなく割れが発生します。

現在国内で採用されている拡底アンカーの亀裂への対応力評価はコンクリート躯体に0.3㎜の亀裂幅を作成し引抜耐力の低減率で評価する欧州技術認証規格(EOTA)基準を指標としております。

しかし巨大地震の際は、0.3㎜の亀裂ではなく3㎜、4㎜、5㎜それ以上の割れを想定する必要があります。フジタ式拡底アンカー(逆エッジ型拡底アンカー)は、そのような大きな割れにも最大限対応可能なアンカーです。

※拡底アンカーとして日本初!日本建築あと施工アンカー協会(JCAA)認証済み!

逆エッジ型拡底アンカー

  • 引抜強度の全てがボルト破断となる
  • 施工部位に亀裂、割れが生じても抜け出ない
  • アンカーボルトが取り替えられる
  • 孔低の拡張作業が30秒ででき、作業能率が優れている
  • 火災時の高温化でも強度の低下がしにくい

開発の経緯

一般の機械固定アンカーや拡底式アンカーの基本的な機能は、開口部側から底部に向って拡張し固着する機能となっております。

当社でも同一方式にある拡底式アンカーの開発を行ってまいりましたが、Fc18Nの弱いコンクリートの場合には引抜き荷重にコンクリートが負けてしまいどうしても当社が理想と考えるボルト破断強度までは到達する事が出来ませんでした。

そこでFc18Nのコンクリート躯体であっても躯体破壊が生じず、ボルト破断に到達する高強度アンカーとして開発されたのが逆エッジ型拡底アンカーであります。

拡底式ケミカル・アンカー

  • 拡底式ケミカル・アンカー遠心ビット
  • 拡底式ケミカル・アンカー遠心ビット状況
  • 拡底式ケミカル・アンカー挿入
  • 引抜強度の全てがボルト破断となる
  • 一般のケミカルに比べ亀裂や割れに強い
  • 拡底作業が30秒、作業能率が優れている
  • 拡底式なので高温化でも強度が低下しない

開発の経緯

一般のケミカルアンカーに引抜き荷重を加えると、キノコ状コーン破壊が発生し、引き抜け又はボルト破断になります。当社では、この破壊形態に大きな疑問を感じ、当社なりの結論を導き出しました。一般のケミカルアンカーは接着面全体に均等に荷重がかからず、開口部に荷重が集中するため、キノコ状コーン破壊が生じていると考え、接着面全体に荷重を均等に分散する機構とケミカルアンカーは熱に弱い、この二つの課題をテーマに上げ拡底式ケミカルアンカーの開発に取り組みました。

DGアンカー

  • DGアンカー遠心ビット
  • DGアンカー挿入
  • DGアンカー固定
  • 2本の爪が拡底部の溝に 入り込み抜けない構造と なっている
  • 施工強度にバラツキがない
  • 50㎏の荷重で6万回の 揺れ試験でも抜けない

開発の経緯

軽量物を固定する機械固定アンカーの場合M-8~M-12サイズの物が主に、使用されている。そのアンカー機能は、穿孔穴の内壁に外筒の延長部を圧着させ、その摩擦力によって引き抜き力を得ている。

しかし、その摩擦力は圧着強度の微妙な違いによって差異が生じ、施工強度に大きなバラツキが発生してしまうなどの問題がある。

当社ではその大きな問題点の一つである施工強度のバラツキをなくす為にはどうすればいいのかと考え、孔の底部を削り広げその拡底部にアンカーを固着する拡底式アンカーの開発が必要であると考え、商品名DGアンカー(正式名称:両刃拡底式アンカー)の開発を致しました。

世界初、フジタ式拡底アンカーの2大特徴

EU諸国において拡底アンカーが標準仕様となるなか、我が国においては、拡底アンカーの認知度すら十分ではありません。こうした状況の中にあって、フジタ式拡底アンカーは、我が国の常識を抜け出すだけでなく、欧州技術認証規格(以降、EOTA とする。)さえ超えております。

このため当該ホームページの商品紹介を閲覧する方々には、少なからず新規性により様々な疑問が生じるものと思われます。しかし弊社の研究は、堅実な実験と検証をもって獲得されてきた成果であるため、多くのデータをここに提供いたしますが、なおご不明な点等ございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。

2大特徴

A) 拡底アンカーにおける拡張幅の拡大

我が国において、青木圭一、西田宏司、前田晴人、石原力也「あと施工アンカーにけるひび割れの影響試験について」(『コンクリート工学』Vol.54, no.2, 2016, pp.170-175)の研究により、EOTA基準に準拠した亀裂に対するあと施工アンカーの引張耐力の比較試験が行われました。すなわちコンクリート躯体が健全な場合と亀裂がある場合のアンカー性能は、接着系カプセル方式アンカー65 %、接着系注入式カートリッジ式アンカー85 %、接着系注入式現場調合式アンカー23 %、金属系打込み式アンカー83 %、金属系締付け式アンカー39 %、金属系拡底式アンカー100 %という効果が見られ、亀裂に対する拡底アンカーの圧倒的優位性が証明されました。

しかし拡底アンカーの優位性が証明されたものの、このヨーロッパ基準を我が国のような地震国に準拠させうるものかは、なお時期尚早の感がございます。なぜならEOTA 基準により規定されているひび割れ試験は、コンクリート母材に貫通穴を開け、くさびを打ち、ひび割れを発生させる等 巨大なコンクリート供試体を必要とし、また、正確なひび割れ幅を設定することが難しいといった問題があります。そのため弊社は、下記の共同研究者とともに、新たなひび割れ試験機を考案し、ひび割れ試験機の性能について研究してまいりました。(1)

(1)藤田正吾、澁谷 陽、姜 明煥、船木尚己、久保達也、大沼正昭、田中礼治

(『日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)』, 2017年)pp.753-754、


澁谷 陽、藤田正吾、姜 明煥、久保達也、船木尚己、大沼正昭、田中礼治

(『日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)』, 2017年) pp.755-756、


澁谷 陽、藤田正吾、姜 明煥、久保達也、阿部 伸、船木尚己、畑中 友、大沼正昭、田中礼治

(『日本建築学会東北支部研究報告集構造系 第81号』, 2018年)pp.69-72、


阿部 伸、藤田正吾、姜 明煥、久保達也、澁谷 陽、船木尚己、畑中 友、大沼正昭、田中礼治

(『日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)』, 2018年)pp.147-148.


このひび割れ試験機を開発した背景には、コンクリート躯体に0.3mmの亀裂幅を設け、そこに最大引抜荷重を設定したEOTA基準の拡底アンカーが、地震の第2波、第3波の揺れに耐えうるものかどうか、場合によっては亀裂幅がさらに拡大する可能性もあるであろうと推測し、さらに亀裂幅を広げ、拡底アンカーの対応能力を客観的に検証しようとする意図がありました。また、0.3 mmという亀裂幅は構造体の経年劣化や構造上の問題からも発生する損傷ですので、この亀裂幅を地震に備えてさらに拡げる必要がありました。

これに応じてアンカーリングに関わる技術も、今以上に穿孔穴の底部に十分な凹状拡底部を設け、その拡底幅に応じたアンカーの延長部位を設ける必要も生じました。そのためフジタ式拡底アンカーの逆エッジ型拡底アンカーでは、EOTA基準の0.3mmの亀裂幅に対し、拡底幅(=拡底径―穿孔径)がM-12で7mm、M-16で9mm、M-20で11mmにまで拡げました。従いましてM16の品番SS-M-16及びSE-M-16では、長期許容荷重の最大値を基準に、亀裂対応力が7 mm未満までとなり、損傷リスクを大いに減じました。このデータは当該ホームページにてご覧いただけます。

B) アンカー素材に基づく固定強度計算

コンクリートの強度性状は一般に圧縮強度を基準に以下の通り規定されています。

圧縮強度  18~150 N / mm2

引張り強度 圧縮強度の1/10~1/13 N / mm2

曲げ強度  圧縮強度の1/5~1/7 N / mm2

せん断強度 圧縮強度の1/4~1/6 N / mm2

これに対し高強度コンクリートは以下のように規定されます。

土木学会コンクリート標準示方書

設計基準強度が60 N / mm2を超えるコンクリート

日本建築学会 JASS 5

設計基準強度が36 N / mm2を超えるコンクリート

また、コンクリートの圧縮強度が耐久性の強度に応じるため、例えばJASS 5の耐久設計基準強度では、構造体の使用期間に応じて、以下のように圧縮強度が規定されております。

短期   18 N / mm2

標準      24 N / mm2

長期      30 N / mm2

超長期    36 N / mm2

しかしながら材料の品質や試験誤差等から、コンクリートの材料強度には「バラツキ」が生じます。この「バラツキ」にもかかわらず、全ての耐久性強度を活かすために、拡底アンカーの埋め込み深さと、アンカーの設計を変えることで、コンクリートの耐久性強度を維持させることができました。

例えば短期の18 N / ㎜のコンクリートに対し、埋め込み深さ176mm(11 d.)でM.16の逆エッジ型拡底アンカー(品番SS-M-16)を施工すれば、コンクリートを破砕させずに、最大引抜荷重118 kN (12.03 t.)でアンカーを破断させるように設定いたしました。こうした金属アンカーの強度を基にして、設計者はバラツキのない破断強度をもって構造体の強度計算を手掛けることができます。

以上、「拡底アンカーにおける拡張幅の拡大」と「アンカー素材に基づく固定強度計算」をもって、構造設計における安全性確保の改善がなされるものと考えております。