改修工法
従来のビル外壁の改修技術には見落とされがちな様々な問題がございます。これらの見落とされがちな諸現象に着眼し、技術開発を推し進めてきた工法が、FST工法であり、コラム工法であり、NBアンカーであります。
例えば振動ドリルによる穿攻では孔内部の浮き部に粉塵が詰まり、エポキシ樹脂の浮き部への流入を阻害し樹脂注入不良を発生させてしまうこと、空気圧のメカニズムを考慮しなければ、穿孔穴の開口部からエポキシ樹脂を注入すると必ずや樹脂注入不良を発生させてしまうことや、孔内に残存した空気によってアンカーピンの戻りが発生すること、注入口付きアンカーピン施工では、仕上げ面の割れ及び同アンカーピンにおける樹脂注入不良を発生させてしまうこと等、外壁改修工事には様々なファクターが様々な現象を引き起こします。
できますれば当該ホームページ内において、弊社の新技術とこれに伴う施工手順が、3種の工法として、従来見落としてきた諸物理現象に如何に対処し、外壁改修工事の諸問題を解決してきたかをご覧いただければ幸いです。
弊社の改修工法
外壁改修基礎知識
弊社は国土交通省大臣官房庁営繕部監修『建築改修工事監理指針 平成28年版(上巻)』(一般財団法人建築保全センター、平成28年)(以下、『監理指針』と略す)にしたがいビル外壁の改修を行ってまいりました。この『監理指針』に忠実であろうとすればするほど、実際の現場に立ちその事象を目の当たりにしますと、指導内容にまだ至らぬ点が多々在るように思えてなりません。
実際、『監理指針』も、3~4年毎に改定され、だいぶその内容も変更されてまいりました。「ピンニング工法」も多少の変更がなされてきたものの、しかしその内容は旧態依然のままであります。また、充填材として使用される接着剤は、ポリマーセメントスラリーを充填する場合もありますが、多く見られるのがエポキシ樹脂です。
このエポキシ樹脂を充填するには2つの工法があり、その一つがアンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法であり、もう一つがアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法であります。しかし後者のアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法は、あまり一般化されている工法とはいえません。
したがいましてピンニング工法を説明するにあたり、前者のアンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法を説明するのが、適切であると思われます。確かに、説明をアンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法に限定するとはいえ、技術的には、両工法が充填部を壁面全体にするか、部分にするかの相違ですから、注入方法における技術的相違はありません。それゆえ以下のピンニング工法に関する基礎知識は、アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法にも、十分に利用されうるものと考えております。